マグカップの印刷方法の種類と特徴、選び方について
マグカップにオリジナルデザインを印刷をするときのプリント方法・名入れ方法の種類について紹介します。
マグカップは印刷する面が平面ではないため、Tシャツやスマホケースでお馴染みの「インクジェット印刷」では印刷することができません。そのため、「昇華転写」「パッド印刷」など、印刷に詳しくない人にとっては初めて聞く言葉が出てきますが、それぞれの印刷の特徴を把握しておけば、完成品が届いた時に「なんかイメージと違うなあ」ということも少なくなります。
昇華転写
印刷するデザインをまず転写紙に印刷し、それをマグカップに貼って高温で圧着することで、インクが気化し色を浸透させるプリント方法です。昇華転写印刷、昇華プリントとも呼ばれます。
写真や細かいイラストが鮮明に印刷できることから、マグカップへのプリント方法としても最もポピュラーな印刷方法であり、一般的なマグカップ作成サービスの多くはこのプリント方法が使われています。
印刷できる範囲はプリントサービスによって異なり、カップ全体に隙間なく印刷することができるものもあれば、カップの上下に余白が入るもの、片側のワンポイントのみに印刷できるものまで様々です。
素材として使われるマグカップは白が基本ですが、最近ではゴールドやシルバーなどもあります。
マグカップのプリント以外にも、プラスチック素材のスマホケースやポリエステル素材のアパレル用品など、様々な素材に対応可能なプリント方法です。
尚、昇華転写と同じ仕組みのプリント方法に「昇華ジェルジェット」と呼ばれるものがあります。これはプリント時にジェル状に変化する特殊なインクが使った方法で、転写時に発生するにじみが軽減されるため、通常の昇華転写よりも高品質な印刷が可能です。
- メリット
- マグカップへの印刷方法では最も人気がある。
- カップ全体に隙間なくプリントできる。
- 印刷可能範囲は異なるものの、ほぼ全ての業者で対応可能。
- デメリット
- 高温でデザインを定着させるため、若干のにじみが発生する。
シルクスクリーン印刷
シルクスクリーン印刷は絹(シルク)の布を版材に使った印刷方法です。
プリントするデザイン毎に専用の版を作る必要があるため、印刷する数量が少ない場合は割高になってしまいますが、大量生産する場合には1つあたりのコストを大幅に下げられるというメリットがあります。例えば、オリジナルマグカップを500個作る場合、シルクスクリーン印刷なら昇華転写に比べて約半分のコストで作ることができます(価格はメーカーによって異なります)。
注意しなければならないのは、版代は1色ごとに必要となるため、3色のロゴを印刷する場合は「版代×3種+印刷代×100」となり、非常にコストが高くなります。版代の価格は印刷業者によって開きがあり、5000円〜数万円する場合もあります。
また、マグカップの場合はTシャツなどと違って印刷する面が曲面であるため、カップを回転させながら印刷する必要があり、これに対応している印刷業者がそもそも少ないという点もデメリットのひとつです。
- メリット
- 大量に作成する場合は低コストで作れる。
- にじみのない綺麗な印刷が可能。
- デメリット
- 写真などのフルカラー印刷はできない。
- 版代にコストがかかるので1個作成する場合には向かない。
パッド印刷
パッド印刷はインクをシリコン製のパッドに転写し、スタンプのようにマグカップに押し付けて印刷する方法で、細かい文字や精密な柄を表現することができるため、ボールペンやキーホルダーなどの文房具に良く使われます。
シルクスクリーン印刷と同様に版代が必要なため、少ロット生産には不向きですが、100個・1000個単位の大量生産の際には定番の印刷方法です。
日本国内でパッド印刷でのオリジナルマグカップ制作に対応している印刷業者は非常に少なく、ほとんどの場合は中国での印刷となります。
- メリット
- 細かく精密な印刷が可能である。
- 大量生産する場合は1個あたりのコストが抑えられる。
- デメリット
- 写真などのフルカラー印刷はできない。
- 国内では対応している業者が少ない。
- 少ロット生産には不向き。
まとめ
以上、オリジナルマグカップを制作するときの印刷方法について紹介しました。
昇華転写、シルクスクリーン印刷、パッド印刷とそれぞれの特徴を解説しましたが、どの印刷方法を選ぶか迷う場合は、基本的に注文するマグカップの数量で判断すると良いでしょう。
目安としては、500個以下の注文であれば昇華転写、それ以上であればシルクスクリーン印刷やパッド印刷で印刷するケースが多いようです。
もちろんシルクスクリーン印刷やパッド印刷で10個だけ注文することもできますが、1個あたりのコストが非常に大きくなり、印刷の仕上がりも昇華転写に比べてそこまで大きな違いはないため、現実的な選択ではありません。
印刷可能な範囲や価格は印刷会社別のマグカップ比較表にわかりやすくまとめてありますので、そちらも是非参考にしてください。
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