初心者のためのオリジナルマグカップ作成ガイドと印刷会社の選び方

はじめてオリジナルマグカップを作る人にもわかりやすいように、マグカップ作成の流れと最適な印刷会社の選び方を紹介します。

「オリジナルマグカップを作ってみたいけど何を準備すれば良いのかわからない」「印刷業者に注文したことがないのでどんな手順で注文すれば良いのかわからない」「どうせ作るなら安くて綺麗に作れる業者を選びたい」など、初心者の方からのよくある質問に沿った形でわかりやすく解説します。

印刷会社に注文する前に知っておきたい、マグカップを作る時の価格の仕組み

オリジナルデザインをプリントした商品、いわゆるオーダーメイドの商品は、価格の決まっている既製品を購入する場合と違って、自分の選んだ仕様や条件によって最終的な価格や納期が大きく変わってくるのが特徴です。

価格が変動するポイントを理解していないと、デザインの色をちょっと増やしたり変えたりしただけで費用が大幅に高くなってしまうこともあるので、以下のポイントは必ず理解しておきましょう。

  1. 注文する数量によって単価が変わる
  2. デザインの柄と大きさ
  3. マグカップの素材とサイズ

ほとんどの人はこれらのポイントの中の1つか2つが決まっている状態で印刷業者探しをしているかと思います。中には全く何も決まっていなくて情報収集をしている段階だという人もいるかもしれませんが、少なくとも「数量」に関しては、1個なのか100個なのか10,000個なのかといったおおまかな数の検討くらいはつくでしょう。

最も多いのは、「印刷するデザイン」と「注文する数」だけが決まっているというパターンですが、「そのデザインをどのくらいの大きさで印刷するのか?」「マグカップ本体はどのくらいのサイズにするのか?」なども最終的な費用が決まる上で重要なポイントですので、適当に選ぶことがないようにきちんと理解しておきましょう。

注文する数量によって単価が変わる

最初に決めておくべきなのは「マグカップを何個作るのか?」ということです。

一般的にオリジナル印刷サービスには「ロット割」と呼ばれる割引の仕組みがあり、まとめてたくさん注文すればするほど1個あたりの単価が安くなる仕組みになっています。飲料水のペットボトルを1本1本個別に買うよりも24本入りのケースで購入した方が、1本あたりの価格が安くなるのと同じようなものです。

1個作る場合と100個作る場合では、1個あたりの単価が倍以上も変わるため、数量が決まっていないと印刷会社も見積りを出すことが出来ません。したがって、問い合わせや見積り依頼をする前に、「何個くらい作りたいのか?」ということだけは最低限決めておいた方が良いでしょう。

友達へのプレゼント用なら1個か2個で良いですし、幼稚園の卒園記念なら卒業する園児の人数30人+予備に2〜3個は必要でしょう。数千人規模のマラソン大会やイベントなどの記念品などに使う場合は、想定されるイベント参加者数+予備として10%くらいは多めに準備しておいた方がよいかもしれません。

複数回に分けて注文した場合はどうなるのか?

イベント参加者向けの記念マグカップを作る場合などは、注文する時点では最終的に何個必要になるかわからない場合があります。

「とりあえず必要な数だけ注文しておいて、足りなくなったら後から追加すればいいじゃないか」と思うかもしれませんが、複数回に分けて注文した場合はそれぞれの注文時の数量に応じた単価が適用されるため、一度にまとめて注文するよりも費用が高くなります(印刷業者によってはトータルの単価を適用してくれる会社もあります)。

つまり、オリジナルマグカップを作るときは、最初に100個作って後から50個追加するよりも、最初から150個作った方がトータルの費用が安くなるため、できるだけ一度にまとめて注文する方が良いということです。個々の印刷業者によって割引率に差はあるものの、基本的に全ての業者で共通の仕組みなので、注文数量は事前にしっかりと確認しておきましょう。各社の数量別の単価についてはマグカップのサービス比較表も参考にしてください。

印刷するデザインの大きさと色数

数量の検討がついたら次に決めることは「どのようなデザインを印刷するのか?」ということですが、ポイントとなるのは「デザインの色数」と「デザインの大きさ」の2点です。

印刷会社やその会社が取り扱っている印刷機の種類によっては、写真などのフルカラーの印刷ができなかったり、印刷可能な範囲がマグカップの片面のみに限定されていたりすることがあるため、デザインが決まらないまま話を進めてしまうと、ある程度話が進んだ段階になって「それは弊社では作れません」と断られてしまうこともあります。また、事前にどのようなデザインにしたいのかを決めておかないと印刷会社側も正確な見積もりを出すことができませんので気をつけましょう。

(1)デザインの色数

色数というと難しく聞こえるかもしれませんが、要するに印刷したいデザインに使われている色が、1色なのか、2色なのか、3色なのか、あるいはフルカラーなのか?ということです。

以前に書いたマグカップの印刷方法の種類と特徴で解説した通り、マグカップへの印刷は、写真などのフルカラーのデザインを印刷する場合は「昇華転写」、シルエットやロゴなどの単色(モノトーン)のデザインを印刷する場合は「昇華転写」「シルクスクリーン」「パッド印刷」のいずれかの方法が使われます。

マグカップの印刷方法として最もポピュラーな「昇華転写」は印刷する色が増えても価格は変わらないので、単色のデザインでもフルカラーのデザインでも同じ費用で印刷することができます。マグカップの印刷サービスを行なっている会社であれば、一部の特殊な印刷方法を使っている会社を除いて、昇華転写に対応しており、数量が1個〜100個くらいの注文であれば昇華転写で印刷することがほとんどなので、100個以上の大量注文をする方以外は色数や印刷方法で悩むことはないと思います。

一方、100個や1000個単位の大量生産の際に使われる「シルクスクリーン」や「パッド印刷」の場合は、1色毎に印刷版が必要となるため、色数に比例してコストも上がる仕組みになっています。これらの印刷方法は昇華転写よりも1個あたりの単価が安くできるのがメリットですが、使う色の数によっては逆に昇華転写の方が安く作れるというケースもあるので気をつけたいところです。シルクスクリーンで10色印刷するくらいなら昇華転写の方が低コストでしょう。

(2)デザインの大きさ

どのようなデザインを印刷するかということも重要ですが、そのデザインを「どのくらいの大きさで印刷するか」ということも非常に重要です。

マグカップの印刷可能なエリアの大きさ(印刷範囲)は印刷会社によって異なりますが、主に片面印刷、両面印刷、全面印刷の3パターンに分けることができます。

マグカップの印刷範囲

1.片面印刷

マグカップの片側だけに印刷する方法です。ロゴやワンポイントのイラストをプリントする場合はこの方法が簡単かつリーズナブルでおすすめです。

2.両面印刷

マグカップをぐるりと1周するように印刷することができます。マグカップの上下に若干の余白ができます。写真を大きめにプリントしたい場合などによく選ばれます。

3.全面印刷

写真のフチなし印刷のように、マグカップの上下の余白を作ることなく印刷できる方法です。マグカップ全体にびっしりと印刷するため、他の方法よりも若干コストが高くなります。

オリジナルマグカップに印刷されるデザインは、写真やキャラクターイラスト、ブランドや社名のロゴなどが多いため、多くの場合は1か2のパターンになるでしょう。

ちなみに筆者が職場で愛用しているバーバピカリのマグカップは全面印刷のように見えますが、これはもともと水色に塗られたマグカップに部分的にイラストが印刷されているものです。このようにマグカップ自体の色をデザインに活かすという方法も面白いと思います。

バーバピカリのマグカップ

マグカップのサイズと素材

3つ目のポイントは印刷する媒体であるマグカップ本体はどのようなものを選ぶかということです。一般的にマグカップといえば、陶器製のホワイトマグですが、印刷会社によってはいろいろな素材や大きさを選ぶことができます。

マグカップの容量・サイズ

印刷できるマグカップのサイズはサービスによって少しづつ異なりますが、一般的には容量が300ml〜350mlのサイズのマグカップが使われることがほとんどです。中には150mlくらいのミニサイズのマグカップを取り扱っているサービスもありますので、ちょっと変わったデザインにしたり、子供向けの可愛いマグカップを作りたい場合には、小さなサイズのマグカップを作ってみるのも面白いでしょう。

マグカップの陶器と磁気の違い

茶碗や皿などの「焼き物」を指す「陶磁器」という言葉がありますが、これは「陶器」と「磁器」の総称であり、それぞれ性質が異なるものです。

陶器は主原料が陶土(粘土)であり、叩くとコンコンというような低い音がします。吸水性が高いのが特徴ですが、器として用いられるものには釉薬(ゆうやく)でコーティングされてガラス質のように加工されているので水が染み込むということはありません。

これに対して磁器は陶石を粉砕したものを主原料としており、吸水性が低いため水を通さず、叩くと金属的な高い音がします。また、透明度が高いことも特徴のひとつです。

オリジナルマグカップの素材として使われるマグカップはほとんどが陶器製のものですが、中にはマグカップマーケットのように磁器製や金属製のマグカップを取り扱っているサービスもありますので、素材にこだわって作りたいという方はチェックしておきましょう。

金属のマグカップについて

金属素材のマグカップというと個人的には航空機のエンジニアがスパナを片手にブラックコーヒーを飲んでいるような、いかにも男らしい無骨なイメージですが、金属のマグカップをオリジナル製作できるサービスもあります。但し、印刷は単色のロゴやマークなどに限られており、カラーイラストや写真の印刷はできません。

まとめ|印刷会社の選び方

これからマグカップをオリジナルで作ってみたい、という初心者の方でもこれさえ知っておけば大丈夫という内容を簡潔にまとめるつもりでしたが、思った以上に長くなってしまいました。

オリジナルマグカップの印刷会社や作成サービスは数多くありますが、今回解説した「注文数量」「デザインの柄と大きさ」「マグカップの素材とサイズ」の3つのポイントをきちんと理解しておけば、あとは費用やサービスの使いやすさ(パソコンのブラウザから簡単に注文できるか?スマホから注文できるか?など)から、自分の使いやすいと思うサービスを選べば良いと思います。

マグカップのサービス比較を参考にしながら、自分にぴったりの印刷会社を見つけて下さい。

オリジナルマグカップを作るならこちらがおすすめです

ラクスルノベルティ

ラクスルノベルティでは1個からオリジナルのマグカップを作ることができます。ウェブから写真やイラストをアップロードするだけで自動的に完成デザインのイメージ図が表示され、そのまま注文することができます。